こんにちは!
さて、新型コロナウイルスの影響で、株式市場は、暴落、そして乱高下を繰り返しています。
そこで、今回のシリーズでは、私自身も何度か、暴落を経験してきた中で、どう対応すべきなのかについて、考えてみたいと思います。
相場の世界は、「上がったものは必ずどこかで下がり、下がったものは必ずどこかで上がる」といった経験則があります。
ただ、問題はどこで下がるか、またどこで上がるかが分からないということです。
直近の大暴落は、皆さんの記憶にも新しい2008年のリーマンショックではないでしょうか。
2008年9月15日、当時の米国4位の証券会社であるリーマン・ブラザーズが破綻しました。
また翌16日には、米国最大の保険会社AIGの経営危機による国営化が明らかになり、緊急経済安定化法案が議会に提出されます。
ただ、9月29日に下院で法案が否決されると、ダウ平均株価は史上最悪となる777ドル安をつけ、一気に金融の信用収縮が加速しました。
10月に入ってからも、ロシアの株価が19%下落、アイスランドでは対ユーロでクローナが30%下落し、同国では全ての銀行が国有化されるなど、未曽有の世界同時金融危機が本格化したのです。
10月8日には、ダウ平均株価が678ドル安をつけ、日経平均株価も、翌日881.06円安と暴落しました。
その後も、下げは止まりませんでしたが、13日に日欧米の中央銀行が「資金無制限供給」を実施した直後、ダウ平均株価が936.42ドル高、また翌日の日経平均も1171.14円高と、今度は急騰しました。
しかしながら、最終的には、16日には歴代ワースト2位の-11.4%の下げ、24日には、歴代ワースト5位の-9.6%と下げ続けたのです。
当時を振り返ると、株式のみならず、債券、通貨など、ありとあらゆるものが値下がりし、すべてが、“キャッシュ化”されました。
その後、「金(ゴールド)」に一部資金が向かいましたが、“投資家の心理”が、回復するには、かなりの時間を要することとなりました。
リーマンショック以前にも、株式市場の大暴落は幾度となくありました。
私が記憶しているだけでも、1987年のブラックマンデー、1991年には日本のバブル崩壊、1997年のアジア通貨危機、2000年のITバブル崩壊、2007年の上海ショックなど、株式市場の歴史は、大暴落と背中合わせの歴史と言えます。
このような中、株式市場の動きを数学的に分析しようという試みは、多くの学者によって、行われてきました。
「株式市場の動向がランダムな正規分布に基づく」という古典的な仮説に始まり、様々な取り組みがされてきましたが、いまだ株式市場の動向を、正確に分析できる理論は確立されていません。
近年では、投資家心理を解き明かす手段として、「行動ファイナンス理論」にも注目が集まりました。人間の行動は、常に合理的に行われているわけではなく、その時々の感情に基づく心理状態によって、大きく影響を受けることが分かっています。
単純にいえば、実体がどうであろうと、「相場が上がると思う人が、下がると思う人より多ければ(大きな資金が動けば)、相場は上がり、逆であれば相場は下がる」ということです。
実際の株式市場の乱高下に対して、この“心理状態”をどうコントロールできるかが、投資家にとって、最大の課題とも言えるのです。
次回は、この市場の乱高下の大きな要因となっているコンピュータによるシステムトレードについて、観ていきたいと思います。