投資マネー動向その1~資金流出が続く欧州株式~ Ifa Japan

投資マネー動向その1 ~資金流出が続く欧州株式~

こんにちは!

さて、ここにきて、先進各国の動きにも、変化が観られ始めています。

景気の先行き懸念が増している欧州に対し、利上げの打ち止めが観えてきた米国、そして、長かった金融緩和策の出口を模索し始めた日本と、それぞれ違った動きを見せています。

そのような状況下、世界中の投資マネーもその行き先を選別しています。
そこで今回は、「欧州株式」について、観ていきたいと思います。

景気の先行き懸念が増している欧州マーケットでは、欧州株式で構成するファンドから、7月までに17週連続で投資マネーが流出しました。

景況感が想定以上に悪化しており、欧州中央銀行(ECB)は、インフレ抑制のため、利上げをせざるを得ず、なかなか底が観えない状況が続いています。

欧州の主要株価指数であるドイツDAX指数やフランスのCAC40指数は、7月に春先以来となる安値水準となりました。
また、経済指標の実績と市場予想の乖離を指数化した「エコノミック・サプライズ指数」は、新型コロナウイルス禍の2020年以来、3年ぶりの低水準で推移しています。これは、エコノミストの予想以上に、悪化する経済指標が多いことを示しています。

実際に、S&Pグローバルが発表したユーロ圏の製造業購買担当者指数(PMI)の改定値は43.4と、速報値の43.6から下方修正され、2020年5月以来の低水準となっています。

これを受けて、欧州市場では、「株売り・債券買い」が進んでいます。
そしてその結果、景気後退を映すとされる「逆イールド」が拡大してきました。

本来、債券利回りは、満期までの期間が長ければ長いほど高くなります。それに対して、「逆イールド」とは短い国債利回りが長い国債利回りを上回る状況で、先行きの景気後退懸念を映すとされています。

今まで欧州の逆イールドは、ドイツやフランス、オランダなど、経済情勢が安定し、利回り水準が低い国が中心でした。

それが6月以降、スペイン国債は16年ぶりに2年債と10年債の利回りが逆転し、またイタリアも、17年ぶりに2年債と5年債の利回りが逆イールドとなっています。
ウクライナ問題も長期化する中、これから秋口に向けて、欧州経済が世界景気の懸念材料の一つと見られているのです。

では、次回は、我が国の株式(日本株)について、観ていきましょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール